——ストレスマネジメントとスピーチロックを考える——
今月の必修研修テーマは「虐待防止」と「身体拘束適正化」でした。
訪問看護・訪問介護・有料老人ホームなど、利用者さまの生活に関わる私たちにとって、
この2つのテーマは“ケアの基本であり、永遠の課題”です。
株式会社プラスディーでは、毎年、全職員が必修研修として受講する項目の一つとして
「虐待防止」と「身体拘束適正化」を定めています。
今回はこの2つをより実践的に学ぶため、ストレスマネジメントとスピーチロック(言葉による拘束)に焦点を当てた勉強会を実施しました。
1🩺1. 虐待防止研修:ストレスマネジメントを通して自分を守る
私たちが日々行っているケアは、人と深く関わる仕事。
そのため、知らず知らずのうちに「ストレス(ストレッサー)」が蓄積してしまうこともあります。
🔹仕事で生じやすいストレスの原因(ストレッサー)
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利用者さんやご家族とのコミュニケーションがうまくいかない
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同僚や上司との関係のストレス
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業務量の多さや、時間的な余裕のなさ
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自分の仕事への自信の欠如
こうしたストレスが蓄積されると、無意識のうちに表情や言葉に出てしまい、
利用者さんへの対応が冷たくなったり、感情的になってしまうこともあります。
その“わずかなズレ”が、時に虐待的な言動や誤解を生むきっかけにもなりかねません。

2🌿2. ストレスをためないためにできること
研修では、まず自分自身の「ストレスのサイン」に気づくことの大切さを学びました。
🔸ストレスのサインにはこんなものがあります:
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イライラする、怒りっぽくなる
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疲れが取れない
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集中力が続かない
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人と関わるのが面倒になる
これらは、ストレスの悪循環に入る“初期サイン”です。
放っておくと「バーンアウト(燃え尽き症候群)」につながることもあります。
🔹情緒的消耗感:心が擦り切れるような疲労
🔹脱人格化:人への思いやりを失い、感情的な対応をしてしまう
🔹達成感の低下:仕事の意欲や充実感を感じにくくなる
💡セルフケアとコーピング(対処法)のすすめ
ストレスをため込まないためには、意識的な休息と自分に合った対処(コーピング)が重要です。
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休養を取る(睡眠・リラックス・趣味の時間)
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信頼できる人に話す
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一人で抱え込まず、相談する
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うまくいかないときは「いつもと違うこと」を試してみる
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また、プライベートの充実も仕事の安定につながります。
「助け合える仲間がいる」「自分を認めてくれる人がいる」——その安心感が、
利用者さんへの温かい対応にもつながります。
虐待防止は、“相手を大切にする”前に“自分を大切にする”ことから始まります。
3💬3. 身体拘束適正化研修:スピーチロックを考える
続いて行われたのは、「身体拘束適正化」についての研修です。
身体拘束には大きく3つの種類があります:
| 区分 | 内容 |
| フィジカルロック | 抑制帯などの物理的拘束 |
| ドラッグロック | 向精神薬などによる薬物的拘束 |
| スピーチロック | 言葉で相手の行動を制限 |
スピーチロックは、特別な道具を使わないため、
意図せず誰でも行ってしまう可能性がある“見えない拘束”です。
「ちょっと待って」
「やめて」
「早くして」
「ダメでしょ!」
これらの言葉、つい使ってしまいがちですよね。
しかし、利用者さんの立場からすれば「否定された」「命令された」と感じてしまうことも。
その結果、意欲や信頼関係が低下し、認知症症状を悪化させることもあります。

4🗣4. 言葉を変えるだけで、ケアが変わる
今回の研修では、スピーチロックを防ぐための“言い換え”を学びました。
| 不適切な言葉 | 言い換え例 |
| 「ちょっと待って下さい」 | 「あと〇分で伺いますね」「今少し対応中なのでお待ちください」 |
| 「動かないでください」 | 「どこか行きたい所がありますか?」 |
| 「ダメです・やめてください」 | 「どうされましたか?」 |
| 「危ないです!」 | 「あとで一緒にやりましょうか?」 |
たった一言の違いで、
利用者さんが安心できるか、不安になるかが大きく変わります。
言葉を変えることは、
相手を尊重し、「その人の意思を大切にする介護」への第一歩です。
5🌼5. 勉強会を終えて——“気づき”が職場を変える
今回の研修を通して、参加者からはこんな声がありました。
「何気ない言葉が相手を縛ってしまうことに気づいた」
「ストレスを感じた時こそ、自分を整えることが大事だと思った」
「一人ひとりが意識を持つことで、職場全体の雰囲気も変わる」
ストレスマネジメントもスピーチロックも、
“自分を知り、相手を思う”ことから始まる学びです。
プラスディーでは、今後も必修研修を通して、
スタッフ一人ひとりが安心して働ける職場づくりを続けていきます。
